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コラム

第三十九回「コルトレーン」

極!石田塾

2022.07.18

6月末にコルトレーン から手紙が届きました。開封してみると、なんと代表の堀田さんが経営を退いて、代わりに取り付けを担当していた片桐さんが経営を引き継ぐとのこと。以前から交代を考えていることは聞いていましたが、実際に書面でみると堀田さんが引退してしまう寂しさと世代交代への期待感が入り混じった複雑な気持ちです。そこで今回は、片桐さんとの出会いを振り返ってみたいと思います。

片桐さんと初めて出会ったのは、正確には覚えていませんがたぶん15年ほど前のことでしょうか。片桐さんがドテラポッドというハンドルネームで、当時流行っていたmixiの「カーオーディオなんでも相談室」というコミュニティの管理人をしていた(現在も継続中)時です。カーオーディオ好きの動向を調べるためにmixiのコミュニティをいろいろと見ているうちに目についたのが、この「カーオーディオなんでも相談室」というコミュです。

このコミュが良かったのは、まず1万人を超える圧倒的な会員数を持っていたこと。そして相談内容が多種多様で、マニアにありがちな閉鎖的な雰囲気がまったくなかったこと、それに回答も片桐さん1人ではなくいまや副管理人になった内Pさんこと高田さんなど、数名がわりと的確に答えていたからです。つまり他のマニアが集まって非難ばっかりしているようなコミュと違って健全だったんですね。

そこで、パイオニアを始めいくつかのメーカーに、このコミュの存在を教えるとともに、これは一度会ってみなくては、と当時長島SAで不定期に行われていたミーティングに行ってみることにしたんです。

そこには十数人参加者が集まっていました。多くは自作ですが、ショップで取り付けたクルマも多数。カーオーディオ好きが集まって、お互いのクルマを聞き合い、ああでもないこうでもないしゃべりあっています。あぁ、この雰囲気、好きだなと思ったものです。

当時の片桐さんのクルマというと、ソニックデザインが付いたレガシィでした。さぞ素晴らしい音がするものと思いきや、これがひどい(笑)。強引に音をまとめてはいるのですが、自作のアラがあちこちに出ていて「この音で管理人じゃ、さすがにまずいだろ」と感じました。

それからパイオニアの協力を仰ぎ、徹底的に取り付けの重要性を叩き込むべく、ショップへと連れて行くことにしました。まず最初に行ったのが、当時ライズ・オーディオ&ビジュアルと名乗っていた奈良の岩畦さんのお店。ここはアウターバッフルの強度の高さには定評があったので、自分のクルマでバッフルの固定強度の重要性を体感してもらいたかったのです。

片桐さんにしてみれば「なんで、ここまでしなければいけないの?」と思ったかもしれません。が、完成した後の音は格段に良くなり、調整もしやすくなったはず。本人も納得していました。

その後は、またまたパイオニアの影のサポートのもとで、全国でミーティングを開きます。北海道へと出かけた時は、さすがにmixiユーザーがあまりいなかったようであまり集まらなかったのですが、そのぶん参加したユーザーとゆっくり話ができて楽しかったです。そうそう、片桐さんが意外とビビリだったのが発覚したのもこの時。夜、すすきのの飲み屋へ行ったんですが、生きた北海しま海老をビビって掴めなかったんです(笑)。そんなチャーミングなところもあります。

ほかに印象に残っているのはトヨタ博物館の駐車場で行ったミーティングや東日本大震災後に福島の球場の駐車場で行ったミーティング、そして場所は失念しましたが北関東のどこかで行ったミーティングでしょうか。トヨタ博物館には本当に多くの参加者が集まってくれました。福島はチャリティも兼ねて不用品の売買を行い、収益は震災の被害者に寄付しました。

そして北関東で行ったミーティングには高田さんや和気さんなど、コミュニティの主要なメンバーが集まってくれました。ほとんどが自作で個性的なシステムを搭載したクルマで現れてくれましたが、それぞれに主張があり楽しいクルマばっかり。カーオーディオってこれでいいんだよな、と思わせてくれたミーティングでした。

さて話は戻ります。全国でのミーティングも一段落して、片桐さんと会う機会も減ったんですが、パイオニアのカーサウンドコンテストに堀田さんの付き添いで現れたりエムズラインのカーHi-Fiミーティングにきたりして、その時には夜飲みにいったりと、年に数回は会っていました。コルトレーンで働き出したという話を聞いたのはそのあとです。

取材などでたまに店へ行くとしっかりと働いていて「あのドテラさんも真面目になったものだ」と思ったものです。その間、クルマは必ず聴かせてもらうようにしているんですが、固定強度の重要性を認識したのと、調整の経験が蓄積されてきたためか、聴くごとに音がまとも、というか良くなっています。もともとプロを目指していたギタリストなので、音楽的センスは備わっていたんでしょう。これ、かなり重要な要素で、センスがなければいくら調整してもベストな音に持っていくことはできないんですよね。その点、片桐さんのセンスは保証します。

片桐さんが新たにコルトレーンの代表としてスタートするのは8月1日から。時期は未定ですが、コルトレーンの代表への就任を記念して、なにかイベントをやりたいねという話をしています。その時には、僕も協力したいと思います。mixiのコミュニティの管理人として1万人以上のメンバーをまとめてきたドテラさんこと片桐さんですから、きっとこれまでのお店ではできなかったようなイベントを企画してくれることでしょう。楽しみしておいてください。

堀田さんが作った音が好きでお店に通っているかたは、寂しさを感じているかもしれませんが、堀田さんは引退すると言ってもまったく店に来なくなるわけではなく、時間があれば顔を出すとのことだったのでご安心を。もしかしたら、調整もやってもらえるかもしれません。堀田さんは感性でセッティングする人なので、堀田さんじゃなければ作れない音ってありますもんね。

そんなことをしながら、片桐さんも堀田さんの音を受け継いでいくのが理想かと思うし、片桐さんにも片桐さんにしか作れない音があります。それはゴルフの音を聴いてみれば明らかだと思います。まずは、堀田さん、お疲れ様でした。そして片桐さん、これから頑張ってカーオーディオを盛り上げていってください。

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