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コラム

第二十二回「音楽のお話」。

極!石田塾

2021.02.05

昨年の11月にお店でエタニ電機のセミナーを行った時、参加者のお客さんから「もっと音楽の話をしてほしい」というリクエストがあったので、今回はそれに応えて音楽の話を。以前も少し触れたと思うんですが最近、エイドリアン・レンカーという女性アーティストを聴き込んでいます。

彼女はビッグ・シーフというインディーバンドのボーカル&ギターの人。2016年にデビューし、4ADレーベルに移籍して発表した「U.F.O.F.」よ「Two Hands」というアルバムの頃から、僕は認識し始めました。「U.F.O.F.」はグラミー賞のオルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門にノミネートされたんですよね。このアルバムもとても良いアルバムです。

僕が聴き込んでいるのは、日本では昨年の10月に発売された「Songs&Instrumentals」というアルバムです。e-onkyoでハイレゾ音源を探しましたが、日本ではどうやらハイレゾ音源が買えないみたいで、海外のサイト「HDtracks」で「Songs」のみを入手しました。96kHz/24bitのハイレゾ音源です。約18ドルなので、今のレートだと約1900円くらい。国内でハイレゾ音源が出ているものに関しては制限がかかっていますが、日本未発売の音源は日本での価格よりも安く手に入るのでありがたいですね。

この「Somgs」というアルバムは、昨年の3〜4月頃、新型コロナウィルスの影響によってビッグ・シーフのワールドツアーがキャンセルされたため、休養をかねてマサチューセッツの山の中にある別荘に篭った時にレコーディングしたそう。当初はレコーディングは考えていなかったものの、森林に囲まれた穏やかな生活の中で音楽制作を思い立ち、友人のエンジニアを呼んでレコーディングを行ったといいます。

ワンルーム・キャビンという限りのある空間なので持ち込んだ機材も最小限。デジタル・プロセスをまったく使わず、すべてアナログでレコーディングしたという音は、とても温もりを感じるもの。おそらくピックを使わず、フィンガーピッキングなんでしょう。ギターの音色がとても柔らかいし、彼女の声もとても魅力的に引き立っています。

個人的には、歌い上げたり声量で勝負するような歌い手は苦手なんですよね(笑)。彼女のように語りかけるような歌が好みに合っています。けっして歌がうまいというわけではないし、たまに音程がふらつく時もあります(笑)。が、時に少女っぽく聴こえる声は気持ちにぐいっと入ってきます。

またスタジオ等の録音ではけっして入ってこない鳥の鳴き声とか水の音などをそのまま生かしているのも臨場感を高めています。声はオンマイクで録っているようなので、生々しさも上々。良いステレオ・システムで聴くと、目の前で歌っているような錯覚さえ覚えます。

普段はもっと激しい曲を好んで聴いているんですが、長引く新型コロナウィルスの影響もあってか、好んで聴く曲が穏やかなものに変化してきているように感じます。エイドリアン・レンカーなんか、いい例ですよね。部屋の中で自粛生活をしていても、心が穏やかになるし、クルマを運転している時に聴いても落ち着くので先を急ぐのではなくのんびりと安全運転したい気持ちになります。という意味でも、良い音楽を良い音で聴くのは素晴らしいですね。

もうひとつ、女性ヴォーカルのお気に入りのバンドを紹介しておきます。ケイト・ステイブルズのプロジェクト、This is The Kitです。2006年にはデビュー・アルバムを出しているようなので、もう15年ほどのキャリアがあるんですが、僕が認識したのはラフ・トレードに移籍して出した「Moonshine Freeze」から。もともとラフ・トレードというレーベルは好きなので常にチェックしているんですが、このアルバムに入っているタイトル曲のMoonshine FreezeやBallet Proofといった曲に惹かれました。

このケイトさんも、声量はありません(笑)。声も特徴があるわけではなく、まあ普通です。が、曲が素晴らしい。展開が読めないしたまに変拍子も使います。曲として盛り上がるような展開があるわけではなく淡々としていますが、グッと引き込まれていく感じです。

YouTubeでチェックしましたが、バンジョーを弾いて歌う姿も魅力的。僕は病気で入院する前、毎年フジロックに出かけていましたが、フジロックみたいな野外のフェスに似合いそう。ぜひとも生で見てみたいバンドの一つです。

そんなThis ts The Kitの最新アルバムが昨年10月にラフ・トレードから発売された「Off Off On」です。基本的には前作と変わっていないんですが、音が厚くなってエネルギーが増しています。おそらくプロデューサーのジョシュ・カウフマンの影響でしょう。

以前はホーンがたまにしか入っていなかったんですが、このアルバムではほとんどの曲にホーンが入っています。あとコーラス。以前はベースのロジーさんの変わったタイミングのコーラスの絡みが良かったんだけど、今回は普通の入りかたのコーラスが多い感じです。

とはいえ、UKフォークの名盤の1枚になりそうなアルバムではあります。実は僕は「一番好きなミュージシャンは?」と訊かれたら「ロビン・ヒッチコック!」と答えるほどUKフォークのエッセンスを持った人が大好き。シド・バレットとかニック・ドレイクとかもそうですよね。まあ、フォークというよりはサイケ色が強いんですが(笑)

たぶん僕はかなり趣味が偏っていると自覚しているので「なんだこれ?」とか「つまんない」と言う人も多いと思います。が、新型コロナウィルスの影響が長引いで閉塞感が漂っている今の状況では、刺激のある音楽ではなく落ち着いて淡々と聴ける音楽が合っていると感じています。今ならYouTubeでもSpotifyでも簡単にミュージシャンや曲が見つかるので、いろいろ聴いてみてお気に入りのミュージシャンや曲を見つけるのもいい時間かと思います。家に籠る時間も長くなっていると思いますが、そんな時間を有効に使って音楽をもっともっと楽しみましょう

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