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コラム

第三十回「11月発売!予定のカーオーディオセオリーブック5秘話」

極!石田塾

2021.10.11

ようやく非常事態宣言が解除され、動き回れる状況になりました。もちろん新型コロナウイルスが消えたわけではないので感染には十分に気をつけなければいけませんが、取材も解禁です。というわけで、今回は11月に芸文社から発売される予定の「カーオーディオパーフェクトセオリーブック5」の内容をちょっと詳しく先出ししましょう。

非常事態宣言が解除されてまもない10月3日に、付属CDに収録する音楽のレコーディングに立ち会ってきました。セオリーブック4までは製作チームがスタジオを持っていたため、レコーディングもそこで行っていたのですが、今回はコロナ禍によりそのスタジオが閉鎖してしまったので早稲田にあるAVACOスタジオを借りています。収録は2組で2曲。11時にスタジオ入りして夜の10時までぶっ続けでの収録です。

今回、この本を出したいと思ったのは、はたしてみなさん、自分の好きな音で音楽を楽しんでいるのかな? と疑問に思ったからです。カーオーディオ・コンテストが盛んになってみなさんのカーオーディオのサウンドは以前に比べると格段に上がっています。それは喜ばしいことなんですが、試聴してみるとどれもこれも似たような音ばかり。「これは凄い!」と思わせる圧倒的な高音質や個性的な音のクルマは少なく、良く言えば整った音、口悪く言うと無個性な感じが否めません。

そこで数人の参加者に、いつもこの設定で聴いているのかと尋ねてみると、全員が「普段の設定は違う」というんです。コンテストのために一所懸命調整した音で普段は聴いていないとなると「なんのためのコンテスト?」と思ったわけです。僕がイベント等で「よそいきの音ではなくて普段通りの調整で参加してね」と声をかけているのは、そのような理由です。

やはり音楽を聴く喜びは、良い音はもちろんのこと自分好みのサウンドで楽しむこと。その音は人それぞれだし、違っていて当然です。そんな自分だけのオンリーワンのサウンドを創り出してほしくてこの本を作ることにした(まだ完成していないがw)わけです。

本の内容を簡単に説明しておきます。前半は基本の調整方法。何年経っても基本の調整はセオリー通りで、前半は以前のセオリーブック4とほぼ変わっていません。まずは接続チェックから始まり、クロスオーバーの調整、タイムディレイの調整、そしてイコライザーの調整という順番です。聴きどころは後半。好みのサウンドに調整するために、楽曲のなかでイコライザーを少しずついじっては戻し、変化をリニアに感じながら自分好みの音を見つけていこうという作りです。今回のレコーディングは、この後半2曲のために行ったもの。もちろん途中でイコライザー をいじっていないバージョンも収録しているのでご安心を。とてもカッコよく、素敵に仕上がっているので、どうにかハイレゾでも出せないか画策中です。

1組は僕の中学の同級生がドラムを担当している凄いジャングルというユニット。ツインドラム、ツインキーボード、ギター、ベースという6人編成です。メンバーにはギターのブラボー小松さんとかベースの西村雄介さんとか、錚々たる名前があります。ドラムの本間くんは僕が高校の時に組んだバンドのドラマー。町田町蔵のバンドやストリートスライダーズのハリーのバックで太鼓を叩いた経験があります。

ブラボー小松さんは1980年代以降の音楽シーンには欠かせない人で、電気グルーヴやピチカートVのアルバムなんかにも参加しています。西村さんも参加しているグループは多数。有名どころだと元スターリンの故遠藤ミチロウさんと組んでいたジ・エンドですかね。6〜7年前にフジロックのオレンジコートで食事をしていた時に奥からドアーズの曲が聴こえてきて見に行ったら西村さんがベースを弾いていたのを思い出します。

他にも戸川純のアルバムに参加していた小滝さんとか強者揃いで、インストルメンタルを展開します。普段のライブではフリーの曲でインプロビゼーションを展開するのですが、今回はあらかじめテーマを決めて演奏してもらいました。演奏中にどんな展開になるかわからないし、ライブの緊張感が欲しかったので後からの修正は無し。一発録りのつもりで演ってくれと伝えてあります。

セッティングが終わって3〜4テイク録ってみたのですが、スタジオでの録音が久しぶりのせいか、どうにもしっくりきません。もちろん曲自体はカッコ良いんです。が、「これだ!」という仕上がりじゃないんです。そこで、レコーディングとは関係なく、フリーの曲をいろいろとやってもらって身体をほぐしてもらうことにしました。

で、何曲か演っているうちにカッコ良い演奏が随所に出てきました。「これ、ハイレゾで出したいなぁ」と思った曲もあります。そこで一旦休憩。食事を済ませたあとに、最初の曲を改めて録ってみたのですが、これが素晴らしかった。まさに「これ、これ!」という感じです。

そしてもう1組はサウンドチューニングマスター1からお世話になっている大坪さんが率いるトリオ。大坪さんのピアノに榊原さんの生ギター、KAZCOさんのボーカルというシンプルな組み合わせです。大坪さんが作曲したバラードは、とても綺麗なメロディ。それにKAZCOが作詞した歌詞がのっかって、素敵な曲に仕上がっています。

曲も凄いジャングルとは対照的ならば使用楽器も録音方法も対照的。一発録りの凄いジャングルに対して、大坪さんチームはギターやボーカルを少しずつ修正して録っていっています。このあたりの違いも面白いのではないかと思います。自画自賛ですが(笑)

あとはエンジニアの出番で、いまミキシングの真っ最中。ツインドラムのバスドラをどう配置するかとかいろいろやっていますが、最終的にはバスドラムを2時10時の位置に振り分けて配置して、センターにはベースがいるという配置になりそうです。

楽しいレコーディングが終わって、ほぼ完成という気分になっていますが、実は僕にとってはこれからが本番。原稿が待っているのですが、まだスイッチが入っていなくてまったくすすんでいません(笑)。はたしてスケジュール通りに発売できるのか!? それは原稿が完成するかにかかっています。どうか応援お願いします。

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