休業日 

営業時間:10:00~19:00

定休日:木曜・金曜

052-442-1182

コラム

第三十七回「待望のFeel’s Tone」

極!石田塾

2022.05.22

昨年11月に発刊したカーオーディオセオリーブック5の付属CDに収録された楽曲が、ついにハイレゾで配信されました。約半年遅れで、ようやく配信にこぎつけた形です。当初は、1曲ずつ単体で販売しようと思っていたのですが、凄いジャングルの未発表曲「石の塔」が15分を超える大作だったんですね。配信元によると、10分を超える曲は単体ではリリースできなくて、アルバムにしなきゃいけないルールがあるらしくて、それならばCDに収録した2曲と未発表曲1曲をまとめてアルバムにしちゃえということになったわけです。

アルバム・タイトルは「Feel’s Tone Collection Vol.1」。Feel’s Toneとは、このアルバムのために新しく立ち上げたレーベルです。Vol.1ってことは、Vol.2〜3、4と続いて行くんですよねと言われますが、やる気は満々。あとはどれだけ音源が売れてスタジオ代やらスタッフ代を捻り出せるかにかかっていますので、みなさん買ってください(笑)

なんとなく音を感じさせるネーミングで、けっこう気に入っているんですが「ん? なんか英語が変」と気づいた人も多いでしょう。sは要りませんよね(笑)。ただ、どうしてもsを入れたかったんです。というのは、Toneの前にsを入れることで、Stoneになるから。そう。石田の石です(笑)。なので大目に見てやってください。

収録楽曲は凄いジャングルの「Mujina」と「石の塔」、そしてKAZCOさん名義の「Under The Sky」の3曲です。アルバムで出したら、それぞれの楽曲は単体でも買えるんですね。このURLから(https://inpartmaint.lnk.to/zGXM8Y4D)e-onkyo、mora、OTOTOY、music.jpのサービスに飛ぶことができるので、お好きなサービスを選んでください。48kHz/24bitのWAVとFLACが用意されているので、こちらもお好きなほうを選ぶと良いでしょう。ちなみに僕は当初「絶対にWAVだろっ」と思ってWAVを選んでいましたが、楽曲情報が表示されないなどの問題があって、最近はFLACを選んでいます。

さて、前置きはこのへんまでにしておき、そろそろ本題に入ろうと思います。このアルバムの中でセオリーブック5のCDにも収録された楽曲2曲は、今年のカーオーディオ・イベントで試聴する際の基準曲に使おうと思っています。手始めに、6月5日に福島・いわきで開催されるサウンドミート・イン東日本では、この2曲を基準曲にすることを公表しています。

なにしろ、レコーディング時にスタジオで何度も何度も繰り返して聴いた曲ですから、その音は頭に染み込んでいます。最近はずいぶん落ち着きましたが「Under The Sky」なんかは、散歩していると思わず口ずさんでいるほど(笑)。おそらく歩くスピードと曲のピッチがぴったりシンクロしていたんでしょう。歩き始めると、メロディが頭の中を駆け巡って、口ずさみたくなるんです。それだけ、何度も何度も聴いて頭に叩き込まれていたってことでしょうね。

試聴時に、どんな点を留意して聴いているかを、読者にはこっそり教えちゃいましょう。まずは凄いジャングルの「Mujina」ですが、主に定位を見ます。バンド編成はツインドラムにツインキーボード、それにベースとギターが1人ずつという6人です。ドラムスの一人は、僕の中学時代の同級生。音楽をずっと続けてプロになったんですが、ギターはブラボー小松さん、ベースは西村雄介さんと、知る人ぞ知る強者揃いです。

今回のレコーディングのために「Mujina」はテーマを決めて作っていますが、バンドは基本的にインプロビゼーションを中心に演奏をしているため、録音時はあとで張り合わせたり重ねたりしないで一発録り。おそらく10テイク以上録ったでしょうか。その中で、一番いいやつを選んでいます。

話がずれてしまいましたが、ツインドラムは左右に10時2時で振り分けています。だから、それがしっかりと分かれて聴こえているかが、まず第一のポイント。バスドラムやスネアが10時2時に振り分けられていると第一の課題はクリアです。

ドラムスが1人だとセンターにあるバスドラムが左右に振り分けられているわけですから、センターが寂しくなりそうですが、西村さんのベースがしっかりと陣取って、リズムを支えています。これがしっかりと前方の中央に聴こえるかもポイント。カーオーディオだと、サブウーファーが後ろにあるせいで、ベースの音像があやふやだったりすることも多いのですが、やはりベースは前方の中央。ここにどっしり構えているように聴こえると、高いポイントが得られます。

キーボードは3次元的に飛び交っているため、定位は気にしなくて良いかと思います。キーボードに関しては定位よりも音色。改造キーボードの音がめちゃめちゃ良いんです。その良さがカーオーディオから伝わってくるかもポイントです。

それ以外にもいろいろと聴きます。例えばドラムスのレスポンス。音の立ち上がりが鋭く、かといって誇張感がなく、スタジオで聴いたそのままの音が出ているのが理想。といっても、みなさんスタジオの音を聴いたわけではないのでそこは想像してもらうしかないのですが、変にお化粧をした音ではなく、あくまでも自然な音を目指してください。そのほうが、高いポイントを得られると思います。

ギターはフィードバックがかかって思いっきり歪んだフレーズが印象的ですが、他にも色々と細かく弾いています。そのへんがすべて聴こえているかもポイント。要するに分解能の高さです。スタジオモニターのように分解能の高い環境だと、細かいカッティングとかフレーズがつぶさに聴こえるので、それがすべて表現できているかもポイントです。

続いて、KAZCOさんの「Under The Sky」。こちらはなんといってもKAZCOさんのチャーミングな声が表現できているかがポイントです。普段は斉藤由貴のバックコーラスを務めていたり、主にコーラスとして活躍しているみたいなんですが、ソロとしての実力も十分。この曲を聴けば、それがわかるでしょう。

この曲、KAZCOさんの声もポイントなんですが、大坪さんのピアノと榊原さんのガットギターの描き分けも大きなポイントです。というのも、ギターの柔らかい音色がピアノに近いので、ギターの音がピアノの音に埋れて、聴き取りづらい部分があるんですよね。

もちろん、間奏のソロの部分ははっきりと聴こえます。が、問題はそこではなくて曲の途中。わりと細々と弾いているので、それがすべてピアノと分離して聴こえているかが重要。スタジオのモニターでは、はっきりと分かれていて、どこで弾いているのかをすべて把握しているので、それがすべて表現できているかは重要なポイントです。

ちなみに、昨年末のオートサウンドWebグランプリの試聴でも、この音源を使ったんですが、なかなかピアノとギターの描き分けが難しくて、音の良いシステムを試聴したの時に、一緒に試聴していた編集者が初めて「えっ? ここにもギターの音が入っていたんだ」と気づいたほど。やはりすべて聴こえるのとそうでないのとでは、音楽から伝わってくる感動もまったく違います。

目指したいのはスタジオで聴いたときの感動が、そのまま伝わってくるか。凄いジャングルも、10テイク以上録ったうちの最後がものすごく良い出来でそれを選んでますし、KAZCOさんも修正を加えながら素敵な音楽に仕上がっています。その良さが伝わってくるように、マイカーの音を仕上げてください。

ダウンロードサイト

e-onkyo (FLAC,WAV)

mora(FLAC)

OTOTOY(alac,FLAC,WAV,AAC)

music.jp(FLAC)

ページのトップへ