第68回 miniDSPレポート。
極!石田塾
2026.05.26
今マイカーで使用しているディスプレイオーディオにもDSPが内蔵されているので、これを使ってタイムアライメントやネットワーク調整、イコライザー等のセッティングを行っていて大きな問題はないんですが、新たなアイテムを手に入れてしまいました。というか、正確にいえば7月の新潟のミーティングの時にアドバイスやら何やらでクルマを放置していたら、そのスキに付けられちゃったんです(笑)。いや、もっと正確にいえば、イヤマオートの金文さんが「試しにminiDSPを使ってみない?」と言っていたのでウヤムヤな返事をしていたんですが「ミーティングの時に鍵を貸してくれれば、取り付けられますよ」という話になり、そうなったら逃れられないよな〜と思って、取り付けに至ったわけです。だから本体はグローブボックスの中に置いているだけ。固定はしていません。電源もシガーライターのソケットから取っているます。良いコのみなさんは決して真似をしないでください(笑)
さて、このminiDSPですが、インターネットに接続して測定したデータを送信すれば、快適な音響特性が得られるような補正データを送り返してくれて、簡単にそのクルマに適した音響作りができるのが特徴です。と言いつつ、測定したデータを送るにはマイクをあちこちに立てて測るなど、それなりに手間はかかるんですが、けっこう精密な補正を行ってくれるし、そのシステムでは補正しきれない箇所なんかも教えてくれます。もちろんターゲットカーブも設定できるので、このような音が好みというケースにも対応できます。この補正プログラムはDirac Liveというんですが、miniDSPを作っている会社とパートナーを組んでいるスウェーデンのDirac Receach社が開発したもので、とても優秀なものだと感じました。
もうひとつの特徴が、FIRフィルターを採用していることです。今あるDSPのほとんどはIIRフィルターのものでFIRのものはカロッツェリアXだったりエタニだったり、高級品ばかり。というのもFIRは直線位相で位相が歪まなく、つねに安定した動作を行うのだが、信号処理の量がものすごく多いためリーズナブルなDSPに導入するのか難しかったんですね。実はminiDSPに興味を持った一番のポイントはFIRを採用していることで、この価格でFIRというところに惹かれたんです。
実際に使ってみると、音がすっきりした印象です。これまで耳で聴いて行っていた調整に比べると雑味が取れたというか、よりクリアになったというか。耳で行っていた調整と比べるとよりオーディオ的に進化した感じです。一方で、音がちょっとつまらないかなぁという感じもしています。ロックじゃないというか(笑)。音がきれいすぎるんですよね。僕の場合、聞くのはほとんどロックなので、多少雑味があってもガンガン押し出してくれる音が好きなんですよね。その部分がかなり上品になって整った印象なので、音の好み辛いったら「うーん」という感じです。もちろんオーディオ的にいえば、断然miniDSPを付けたほうが上で素晴らしいんですよ。ただ、これは好みの問題なのでいたしかたありません。僕の好みからいうと音が上品すぎるという印象です。
とはいえ、オーディオ的には誰にでもおすすめできるものではあります。とくにクロスオーバー付近で音が濁っていたり、曖昧だった楽器の音がはっきり聞こえるようになって、その点は良かったと感じる部分です。Dirac Live、素晴らしいです。一方で、それをベースにEQなんかをいじろうとすると途端に音が変になっちゃうんですよね(笑)。Dirac Liveで調整した音のほうが確実にいいんです。だから、下手に好みに合わせられないというか…。もちろん、時間をかけて綿密に行えば、きっと好みの音に近づけられるんだと思います。そうなると、せっかくのDirac Liveの良さが半減しますしね。難しいところです。
車載DSPは今、多くのメーカーから発売されていて、注目のアイテムのひとつです。純正オーディオの入れ替えが難しくなっている今、手軽なアイテム追加で音を良くするといったら、DSPで車内音響をコントロールするのが手っ取り早くて効果的な方法かと思います。その中で、miniDSPは特徴的な機能や性能を持つ製品のひとつだと思います。

