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コラム

第70回 大阪オートメッセレポート。

極!石田塾

2026.05.26

昨年末に父が亡くなり、12月と1月は葬儀やら相続の手続きやらで何かと忙しく、ほとんど身動きが取れない状態でした。おまけに今年は例年になく大雪。おそらく昨年の倍以上は積もったのではないかというほどの積雪量で、多い日は朝起きると1メートル以上も雪が積もっていたため、毎朝の雪かきで疲れてしまい、なにもやる気が起きなかったのも事実です。そんなこんなで、1月末の四十九日までは家で大人しくしていて東京オートサロンへ出かけるのもやめていたんですが1月26日に忌明けして雪の量も随分減ってきたので、もう動いいてもいいかなと思い、2月13日からインテックス大阪で行われた大阪オートメッセへ出掛けてきました。
どうせなら帰りに名古屋へ行って久しぶりにコルトレーンに寄って帰ろうと思ったので、交通手段はクルマ。大阪までは日本海側を通り、琵琶湖の横を抜けて米原で名神に合流して行くルートです。それでも秋田からは12時間ほどかかりましたが(笑)。帰りは名阪国道を通って名古屋に入り、1拍して帰るルートです。普通に考えれば東名を通って東京を経て東北道で戻るものとばっかり思っていましたが、やはり日本海側を通ったほうが距離的にも時間的にも早いというのには驚きました。小牧から中央道を通って岡谷へ向かい上信越道、北陸道を通って日本海東北道を進むルートです。日本海東北道なんてまだ開通うしていない区間もあって一般道を通る時間もあるのですが、それでも日本海側を回ったほうが早いんですね。驚きです。10時間はかかりますが(笑)
それはともかく、今回のオートメッセで気になっていたのは、ヤマハが開発したフローティング構造のスピーカーです。このスピーカーのキモはアイソレーションフレームという構造。つまりフレーム部分にサスペンション構造を設けて車体の鉄板に伝わる不要な振動を抑えることで質の高い低音再生を実現しようというわけです。
ご存知の通り、車載スピーカーの問題はスピーカーを取り付ける場所の固定強度の弱さです。スピーカーを固定する車体側の鉄板が、スピーカーが生み出すエネルギーによって振動してしまうために、主に低音が詰まったり濁ったり、本来出るべき音がスポイルされてしまうわけです。
それをどうにかしようと、バッフルボードを作って取り付け強度を高めたりドアの鉄板が振動しないようにデッドニングしたりして対策するわけですが、もともと弱い鉄板を一所懸命対策したとしても完璧に振動を抑えられるわけはなく、ドアから低音を出そうと思えば思うほど、低音がぼやけたり詰まったり、本来の音楽的な低音とは異なる鳴り方をしてしまうわけです。
それを解決するには、サブウーファーを追加して低音を補う方法があります。が、オーディオの理想は点音源で、ステレオ再生の場合はできるだけ少ないスピーカーで低域から高域まですべての周波数を再生できるのが良いとされます。というのは、例えばサブウーファーがラゲッジルームにあったりすると低音が後ろから聴こえてくるので、位相を合わせるのに苦労するんです。そのため、できる限りスピーカーの設置場所は1カ所が理想なんです。
ヤマハのデモカーは17cmセパレート2ウェイシステムで、さすがに点音源というわけにはいきませんが、ドアのウーファーとダッシュボード上のツィーターの左右で計4個だけです。それにも関わらず、このデモカーではノビのある音楽性の高い低音が楽しめます。もちろんサブウーファーが生み出す地を這うような重低音は聴けないのですが、それでも十分なほどの豊かで質の高い低音です。これがフローティング構造の効果なのでしょう。可能性は高そうです。
これを聴いて、おそらく20年以上前にレイオーディオのセミナーで聴いたチェロキーを思い出しました。確かレコーディングエンジニアの方が自作で作ったクルマで、ドアにバーチカルツイン状にKM-1Vと同様のスピーカーを搭載していたと記憶しているんですが、フローティングしているということで質の高い音を再生していたんです。その時は詳しい取り付け方法を聞いていなかったんですが、フローティングというキーワードで思い出した次第です。
このスピーカーはまだ参考出品のため、発売するかは決まっていません。おそらく採算が取れるかどうかで判断を迷っているところだと思われます。車載機器は初めてのため、悩んでいるのでしょうね。しかしいいものであるのは確かなので、是非とも製品化してもらいたいものです。これの素晴らしいのは価格帯に関係なくフレームをフローティング仕様にできることで、極端なことをいえば、バッフルだけでもフローティング仕様で出せそうなことです。そうなればカーオーディオは大きく変わるでしょうね。それくらいの可能性を秘めているので大いに期待しましょう。
それ以外に気になったのはパイオニアのフラッグシップ・スピーカー、GRシリーズのデモカー。相変わらずの良音を聴かせていました。売れ行きは順調なようで、これだけ高額にも関わらずコンスタントに月10台は売れているそうで、CRTの良さに気づく人が増えているようですね。最近、一部ではツィーターが良くないと噂になっているようですが、気に入らない人は手に入れなければいいだけの話で、CRTが素晴らしいことに変わりはありません。
あと小物では、トライムが新しく取り扱いを始めたハイドロノートという吸音材が気になります。高分子ファイバー素材の吸音材で2層になっているため、部分的に厚みを変えられるんですね。そのため少しずつカットしたりしてチューニングできるのが強みです。国産品で以前から売られていたため自作派で有名な内Pさんも使っていたらしいんですが、トライムが扱うようになりますますユーザーが増えそうな感じです。
あとは毎年ある各ショップのデモカーでしたが、予約をしていなかったので聴けませんでした。きっと相変わらずのいい音を聴かせてくれていたのでしょう。

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